入試の作文問題
これまでやってきた中3総仕上げの実戦演習。
国語で出題された作文の問題についてちょっと話をしよう。
ある中学校のクラスの数名で成年年齢引き下げについての話し合いをしているという設定。
資料①と②があって、それらを参考に話が進められていく。
資料②から分かることをもとにして、成年年齢引き下げに自分は賛成か反対かの意見を述べるというのが作文のテーマ。
ちなみに資料②では大学への進学率は8割以上であることと、高卒で働くひとが2割弱で大卒が7割以上という数字が示してある。
ここで、まず作文の回答として最低限の点数になるレベルはこうだ。
指定字数を満たしていること。
これが書けていなかったら0点ね。
上手い下手関係無く、もし社会人だったら仕事を放棄したのと同じ。
次の段階はこうだ。
賛成、反対のどちらかを明確にして、その理由を述べていること。
自分の意見を言わねばならぬ場面は常にある。
その時に「なぜそう思う、なぜそう判断する」のか、理由を説明しなければ意見は通らない。
ここまでが得点になる最低ラインだ。
次に大事なこと。
問題では「資料②をもとにして意見を述べること」という条件が加わっている。
これを無視したら大きな減点だ。
資料に全く触れずにただの一般論を述べたり、指定された資料②ではなくもうひとつの資料①を参考にした意見を書けば、人の話を全く聞いていないということになる。
こんな人に仕事は任せられないぞ、と思われても仕方がないくらいのミスだ。
最後の段階はここ。
資料②で示された数字をどう捉えるか。
ここで「大学へ8割以上もの人が進学している」と捉えるなら、社会へ出るまでの期間がまだ長い時期に成人するのはどうかという意見も考えられる。
もしくは、「2割の人はもう高卒で就職している」という部分を捉えるなら、もう社会人として働いているのに未成年の期間があるのは良くないのではないかという意見も出てくるだろう。
大体この2つに分かれる。
どっちが正解かなんて無い。
どっちの捉え方を選択して、そこからどう考えをまとめて、さらに自分がどういう方向に進んで行くかという判断は正に会社でいうと、経営者とか部署の責任者の仕事になってくる。
この判断によって会社が利益を生むか損をするか、そんな責任が求められるんだ。
何てことまで考えていくと、作文の問題というのも面白いもんだ。
もちろん採点基準は中3の今の成長段階で求められるレベルを考えて設定するけどね。
これから先、こういう考えを身につけて仕事のできる大人に成長してほしいと強く願う。
ということで、日曜日。
今日も中3は授業だよ。
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