中学受験への考え、指導の在り方を強烈に考えさせられた大切な記憶
もうずいぶん前の話だが、ずーっと頭の中にかなり大きな割合で残ってる記憶がある。
致遠館中を受験したいということで、小6の始め頃から塾に通ってくれた子のこと。
入塾当初の塾内学力テストの偏差値が45いかないくらい。
計算ミスも多く、読解もなかなか大変な状態でスタートし、基礎的な問題からコツコツ勉強を続けていった。
そして9ヶ月後、偏差値が50を超えた。
それでも致遠館中のA判定ラインは60を超えないといけないので、まだ合格するような学力はついていない。(致遠館中入試は学力テストではなく適正検査で行われるので、偏差値60以上がA判定というのはあくまでも参考データだけどね)
12月にその子のお父さんと面談をした時、偏差値50を超えたテスト成績表を見せた瞬間のひと言が忘れられない。
「ああ、伸びなかったですね。」
致遠館中の合格には程遠い偏差値だったのは間違いない。
ただ、入塾時に45足らずの偏差値が50まで言って「伸びなかった」はないだろう、とその時は思った。
これは、そのお父さんの文句を言ってるのではない。
そのご家庭は、致遠館中に合格するだけの学力を期間内につけてほしいという希望で塾に来られた。
うちはその希望には応えられなかった。
基本的にはそういう話だ。
そして、致遠館中の入試が終わった日にお父さんから電話があり、その子は退塾した。
指導の仕方、授業のカリキュラムによっては、あるいはもっと伸びて合格に近づくことが出来たのか。
でも、それでは上滑りになって全く伸びないどころかやる気を無くす可能性だってありはしないか。
そもそも致遠館中を受けるためだけの勉強で、合格の可能性が無いと確認したらそれまでの勉強を全く評価しないなんてことをどう考えるのか。
だからといって、最初からそこまで伸びることは無理だと言っておいた方がいいと思うのか。
受験しようと思ってコツコツ勉強することは、どんな成績の子だって素晴らしいことじゃないのか。
こうなふうにその後、色々考えることが多かった出来事だ。
このことがあって、中学受験に対する塾の指導スタンスや授業の在り方に、自分自身の考えをさらに徹底していった。
6年生は入試後、2月~3月の勉強がものスゴく大事ってのも徹底して訴えるようになった。
だから、自分にとっては非常に重要な出来事だったと言えるんだろうね。
↓去年、ブログを始めて2日目に書いた記事を思い出したよ。
https://ameblo.jp/hokuto-kisu/entry-11478822780.html