致遠館高校の今昔
致遠館高校の話をしよう。
個人的には、とても好きな高校だったね。
過去形にしたからといって今は嫌いとかそういうことではない。
ただ、受験する子が減っちゃってね、感情移入する機会が無い。
志願者が減ってる理由はハッキリしてる。
中学校が出来たから。
県内初の県立中高一貫校ってことで致遠館中が出来て、高校の定員240名のうち160名は致遠館中から上がってくることに。
少数派の高校入学組はイヤだという気持ちで志願者が減っているんだね。
もともと致遠館高校は、佐賀西と佐賀北の中間くらいのレベルを前提に作られた進学校。
だから、西高は無理だけど北高より高いレベルで勉強頑張りたいという子が通う学校なんだ。
具体的な話をすると、中3になって一念発起して頑張ったけど西高には届かないって子には本当に丁度いい学校だったのよ。
実際、適度に課題も与えられ、勉強しなきゃーって環境で鍛えてくれるからね。(適度と感じる度合いは個人差があるだろうけど)
これまでに、そういう子をたくさん見てきた。
以前、責任者をやってた教室では致遠館を受験する子が多かったからね。
最初、西高目指してて致遠館に行った子もいれば、北高や小城高志望だったのが成績伸びて致遠館に行った子も。
そういう卒塾生の子たち、とってもイイ印象で記憶に残ってる。
特に高校から先で伸びたという印象が。
地元の佐賀大学に進み、その後、佐賀大の経済学部卒で他にいないような大手企業に就職した子。
明治大学に行き、その後ずーっと法律の勉強を頑張って官僚になった子。
日本大学に行き、それから九州大学の院へ進み、なんと現在は大学で経済学を教える先生になった子。
などなど。
大学の先生になった子なんか中学のころは本当に勉強してなくて、塾の帰りにラーメン屋によって帰りが遅くなって騒動になったり、自分で眉毛剃り過ぎてヤバいと思ってマジックで眉毛描いたり。
そんなヤツだった。
みんな致遠館高校があったからこそ、その後の頑張りがあるんだと思う。
そういう子ね。
今はまだ西高までは届かないけど、高校に入ってからもしっかり頑張って先々伸びていくっていう感じの子。
そういう子って一杯いるんだよね。
そんな子たちのための致遠館高校。
中高一貫になって、そういう高校では無くなった感があるのがちょっと残念。
そういう意図があってかどうか、致遠館中の募集定員が120名に減った。
これで、数年後は高校から120名の入学になり、中学組との比率が 1:1 の半分半分に。
少しは、変わるかな。
いい方向に行ってほしいな。