成穎(せいえい)
私立の佐賀学園高校が平成9年につくった中学校が成穎中。
佐賀市内では一番新しい私立の中学校になる。
それに伴って、これまでの佐賀学園高校特別進学科を成穎高等部と改称し、中高一貫コースが学園内に併設された。
さて、成穎中。
この10年間で、最も躍進した学校だ。
よく比較される佐賀市内の私立3校(龍谷、清和、成穎)の中で一番後発であるにも関わらず、いま最も受験者数、入学者数の多い学校になった。
そう、成穎中。
ここの最大の特徴は、別の高校を受験出来るというところ。
他の私立中は、龍谷も清和も弘学館も入学したら、当然高校までの6年間エスカレーター式だ。
ところが、成穎中。
高校は自由選択なのよ。
県立高校はもちろん、他の私立高校も自由に受験出来る。
むしろ佐賀西や弘学館、久留米附設などへの進学を第一目標にしている。
これがウケたみたいね。
地域の公立中学校の荒れ具合を心配する保護者の方々が、環境の整った私立中で県立高受験のためのレベルの高い学習を求める。
月謝の高い私立でも中学の3年間くらいなら、と思われる方も多いのかもしれない。
元々この高校自由選択制の採用は、学園としては苦肉の策だったと思う。
成穎高等部の前身である佐賀学園特別進学科。
ここは、生徒数が1学年10名前後という状態でずっとやってこられていた。
何とか生徒数の確保を、ということで中学部の新設を決められたのだが、すでに私学中高一貫校が複数存在する状況の中で、受験生の選択肢に入るのは大変だと考えられたのだろう。
親しくさせて頂いていた前理事長のAオキ先生と、2人っきりで理事長室にいた時につぶやかれたことを今でも覚えている。
「うちも本当は中高一貫でいきたいよ。でも、それじゃあ、なかなか選んでくれんだろう。後発の苦しさだね。」
でも、その後こう付け加えられた。
「それでも頑張ってやっていくよ。成穎中が成功するかどうかが学園の将来を左右する。」
その後の大躍進。
今は亡きAオキ先生も喜んでおられるだろう。
説明会に行っても、成穎中は一番活気があるように思う。
自分たちの目標、訴えかけることが明確なのかな。
アピールもスゴいしね。
1学年80名くらいでこの佐賀西、早稲田佐賀、弘学館の数。
そしてラ・サール、久留米附設にも合格者を出している。
さらに注目すべきは大学合格の実績。
青で書かれた高等部。
これは成穎高等部からの合格実績。
その下、赤で 「本校卒業生」と書かれたとこ。
東大、九大とあるが、これは成穎中から他の高校へ進学した生徒の大学受験の結果。
これを自分とこの看板に掲げるという、この商魂の逞しさ。
これは天晴れだと思うな。
そういう中で、成穎高等部の生徒数も増えている。
以前の学園特進科とは比較にならないくらいに。
成穎の本当の真価はこれから、かなと注目している。
その看板のすぐ北側にある桜の木。
この桜は壮観だよ。