ミスター・ソウルマン
我が家に初めてビデオデッキなるものがお目見えしたのは、確か高校2年か3年生の頃だったと思う。
その当時、佐賀ん街でレンタルビデオ屋といえば「チャップリン」ね。(超ローカル)
あそこで借りて、備え付けたばかりのビデオデッキで初めて見た映画は、今でもハッキリ覚えてる。
それが、『ミスター・ソウルマン』
ハーバードの法学部に合格して歓喜する主人公の青年に、両親が告げる。
「これからは自分たちの老後のために金をつかうから、お前に学費はあげないよ。」
そこで、黒人のための奨学金というのを目にした主人公が、全身を黒く日焼けさせ黒人に成りすまして奨学金を手にする。(マンガみたいな話)
黒人だからってことで大学のバスケ部に誘われたけど、ド下手だったり等々いろんなドタバタキャンパスライフが始まるが、街中で理不尽な人種差別も経験してしまう。
そんな中で、主人公の青年はクラスメイトの黒人女性に恋をする。
しかし、シングルマザーでもある苦学生の彼女が、自分が黒人の奨学金に合格したためにその奨学金を取れなかった事実を知って罪の意識にさいなまれる。
すったもんだあった末に、青年は自分が白人であることを告白し、これから罪を償っていくことを約束する。
そんなお話。
映画の出来だとか、人種差別問題を茶化してないかとか、内容については色々賛否出てくるような映画だったかもしれない。
ただ、ミョーに記憶に残ってるんだな。
あらすじも27年くらい前の自分の記憶だけで書いてるけど、大体合ってると思う。
やっぱ初めてのレンタルビデオだったかしらね。
それと、一番印象深いシーンがある。
自分の素性を告白した主人公が、大学のゼミの教授(この方も黒人)と話をするシーン。
教授が、
「少しは黒人の気持ちが分かっただろう。」
と問いかける。
主人公は、
「いや、全然分かったとは言えません。ボクはその気になれば白人に戻れたんです。」
それを聞いて、
「そう思えただけでも君は前進した。」
とほほ笑む。
そんな映画。