鉄腕の言葉
「神様、仏様、稲尾様」
この言葉は子どもの頃からよく耳にしていた。
西鉄ライオンズが福岡にあった時代、当然佐賀にもファンは多かったことだろう。
母方の祖父も平和台球場によく観戦に行ってたらしい。
そのライオンズの大エース、稲尾。
巨人との日本シリーズでは自分でホームラン打っただとか、3連敗の後で4連勝だとか。
そんな話を母親からたびたび聞かせてもらってたので、自分にとって稲尾といえば本当に伝説の大投手だった。
伝説の大投手が少し身近な存在になったのはロッテの監督になってからかな。
プロ野球ニュースで姿を見て声も聞くようになり、伝説の稲尾がロッテの稲尾さんって感じになった。
稲尾さんがロッテの監督をやってたのは、いずれロッテが九州に本拠地を置く計画があるということで、九州に球団を復活させたい一心で引き受けたという理由だったと聞いた記憶がある。
ホークスが福岡に来てからは、福岡の放送局RKBで解説者としてチームを見守っていた。
稲尾さんの解説好きだったねー。
毎週土曜日の午後は、ラジオの野球中継で稲尾さんの解説を聞くのが習慣だった頃もある。
秋山が引退して、稲尾さんと同じRKBの解説者になった時は何となく嬉しかったな。
若い選手には叱咤激励、時には厳しい言葉もぶつける稲尾さん。
こんな言葉が記憶に残ってる。
ある投手が、自分は牽制が苦手だとかなんとか言ってたことに対して
「プロが自分で牽制は苦手だなんて言ってどうするんだ。」
「たとえ苦手でもそんなことを口に出して言うな。」
「言う前に練習して克服しろ。」
当然のお言葉です。
弱みを見せたら、そこにつけ込まれるだけだからね。
なんだかねー、ものすごく記憶に残っててね。
ちょっと自分でも心掛けるようになっちゃったりしてるのね。
仕事に関してだけど。
これやるの苦手ーとか。
自分はズボラだからーとか。
あんまり口に出して言わないようにしてる。
もちろんちゃんと出来てないこともあるけどね、当然。
でも、わざわざ言わない。
出来てないとこがあれば、出来るように心掛ける。
うーん、結局好きな人の言葉は自分でよく胸に刻んでしまうんだろーなと。
自分の言葉が、生徒に対してどのくらいの説得力を持つかっていうのも色々考えさせられる話だなーと思った。
もちろん、仕事以外ではよく言うけど。
「サーブのトス苦手ー。」
「コントロール悪いからねー。」
うー。
そう、だから小学生中学生のみなさん。
今のうちにたくさん苦手をさらけ出して、失敗をたくさんして、少しずつ出来るようになるための練習を積んでいこうじゃないか。
ノーコンもいずれ克服してやるー。
あー、コントロールいい人尊敬するわー。