募金箱の中に入ってたモノ
某ドラッグストアで買い物してた時のことだ。
レジを通った先の棚で買ったやつをカゴから出していた。
するとその時、オレの横にいたオジさんが店員さんに声をかけた。
「すみませーん」
なんだ、どうした、オジさん。
他人にオジさんと言いながらオレもじゅうぶんオジさんなのだが。
しかし、このオジさんの方が年上だよな。
いや、そう見えて実はタメとか。
いやいや、そんなはずは無い、絶対にオレより年上だ。
そんな話ではない。
オジさんは手に硬貨を1枚持っている。
店員さんが寄って来た。
で、オジさんが言う。
「この募金箱の中に100円札が入ってるんですけど、この100玉と交換してもらえませんか?」
なに?
100円札?
マジか。
あ、言われてみればアクリルケースの募金箱に紙幣が1枚入ってるじゃんか。
いやいや、それにしてもだ。
これを自分の100円玉と交換なんてしてくれるわけないじゃんよ。
店員さんがこたえる。
「いえ、この箱は開けられませんので出来ません」
うんうん、そりゃそうだ。
オジさん、言われてすぐに帰っていった。
いやー、それにしても100円札が入ってることにビックリだが、それよりも「100円玉と交換してくれ」にもっとビックリだよ。
しかし、待てよ。
あのオジさんが店員さんに声をかけなかったらオレは気づいていなかった。
板垣退助の100円紙幣だよ。
すげー、初めて見たかも。
調べてみたら、1974年(昭和49年)に支払い停止になっている。
オレが4歳・・・ビミョーだねえ。
ハッキリ物心ついてお金を認識した頃はもう100%100円玉だった。
いやスゴいな、入れた人スゴいな。
写真撮ったよ、。
そうだ、あのオジさんに感謝だ。
いやー、イイもの見せてもらった。
ヨカッタ、ヨカッタ・・・。
ちょっと待て。
写真撮って終わりかよ。
スゴイなと思いながら写真撮ってすぐ店出ちゃったよ。
オレもあのオジさんと何も変わらないじゃんか。
家に着いた時にそれに気づいた。
もう一度ドラッグストアに戻った。
募金箱に200円入れて出てきた。
ちなみにその募金箱、コロナ関係で頑張ってる医療従事者の方への義援金だそうな。
そうだよな、ドラッグストアだもんな。
そんなことにも感心してしまう。
なんかバカみたいだな、オレって。
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