江藤と大久保

江藤とは、初代司法卿(現在の法務大臣)の江藤新平。


大久保は、初代内務卿(総務大臣にあたる)の大久保利通。




肥前(佐賀)出身の江藤と薩摩(鹿児島)出身の大久保は、ともに明治政府発足時の主要人物である。


そして政敵といわれた2人。


どちらも、坂本龍馬や西郷隆盛などのように華々しくドラマの主人公になるようなタイプではないが、大政奉還後の維新の時代で傑物は誰かと言われれば、私はこの2人を挙げる。




江藤は、三権分立思想などを取り入れ近代司法制度の礎を築く。一度も海外へ渡ったことがないにも関わらず、欧米の自由民権思想をいち早く吸収するなど、その先見性、想像力、実行力は圧倒的である。


大久保は、言わずと知れた薩摩のリーダー。西郷と共に倒幕を果たし、新政府にあっては財務、内政、国の大枠を創り上げた人物。草創期の明治政府においては、総理大臣のような存在であった。


司馬遼太郎の言葉を借りれば、出来たばかりの新政府内において、これからのこの国のカタチ、進むべき方向性を具体的に持ち得ていたのは江藤と大久保の2人だけだった。


そして2人は征韓論をきっかけに対立する。




江藤から見れば、大久保は薩摩という巨大派閥をバックに国を自分たちの思うままに動かそうとする悪党。


大久保に言わせれば、江藤は小派閥である佐賀を機をみて政界の中心に引き上げようと目論む賊。


互いにそのようなことを思っていたのかもしれない。いや、自分のやりたい新しい国創りという仕事を進めていく中で、そう決めつけることが必要だという意志なのかもしれない。




結果、江藤は大久保の術中に陥るように佐賀の乱(佐賀戦争と呼ぶべきという意見もあるが)で敗れ処刑される。


短い期間であったかもしれないが、近代司法制度の確立において江藤の残した功績は大きい。


当時の政府内で起こった汚職事件を徹底して糾弾し、首謀者を辞職に追い込むなど、政治に潔癖さを求めた江藤。


一方、大久保も自分の私利私欲などには一切頓着せず、予算のつかない公共事業に私財を投入することもあったという。大久保の死後、家には借金しか残っていなかった。




自分の理想とする国を一から創造する。その一点においてのみ行動を決める。


そこには断固とした決意があり、そしてそれらを遂行するにあたっては清廉潔癖でなければならぬ。


政敵となった2人は、この部分において共通する人物ではなかったか。


そして、2人のキャラクターのインパクトが強烈に私の中に飛び込んで、今も心を鷲掴みにされているのである。




以上の話は、主に司馬遼太郎の「飛ぶが如く」「歳月」という2つの小説を参考にしている。


「飛ぶが如く」は征韓論から西南戦争までの時代を西郷と大久保を中心に描く長編小説。


「歳月」は江藤新平を主人公にした話で佐賀の人間にはたまらないという小説。


どちらも墓場まで持って行きたいと思う大好きな本である。




最後に、佐賀人である私、実は個人的には大久保利通のファンなのである。


大久保の座右の銘は、「為政清明」


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