積み重ねが活きる瞬間
前島密(まえじまひそか)の小説を読んでいる。
日本の郵便制度の創設者の1人であり、「日本近代郵便の父」と言われている人物だ。
「郵便」「切手」「葉書」などの名称を定めたのも前島密なんだそうな。
その前島が主人公の小説が佐賀新聞に連載されていて、今ちょうど明治政府で働き始めた頃。
前島が上司の大隈重信から、日本初の鉄道事業を始めるにあたっての計画書を作ってくれと命じられる。
期限は半月ほど。
まだ誰もやったことの無い事業の見込み計画案をたった半月で、と初めは焦るが前島は期限通りに作り上げてしまう。
もう出来たのか?と命じた大隈がビックリするほど。
しかしこれは前島が今までに経験してきた仕事の積み重ねが全て活用出来る内容だったのだ。
つまりその計画書は、これまでの30年以上の彼の人生の積み重ねの上に作られたものと言ってもいい。
だからこそ、命じられた半月でそれだけの内容をまとめ上げることが出来た。
というお話。
小説はこのエピソードだけじゃなく最初から面白い。
まあ、こんなことを実感出来る瞬間が自分にもあったりして共感出来る。
それがまた読んでて楽しかったり。
何事も経験してこその積み重ねだ。
若いうちから、ましてや小中学生、高校生の頃から「めんどくさい」なんて感情で行動を渋るのは、貴重な経験を積み上げるチャンスを自分でつぶしていくようなもんだ。
勿体無いね。
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