致遠館

「致遠館」

1988年に設立された佐賀市内4つ目の県立普通科高校。




2003年に中学校が併設され、県内初の県立中高一貫教育がスタートする。




そもそも致遠館という校名は、幕末佐賀藩が長崎につくった藩校の名前に由来する。




そこで英語などの講義をしていた宣教師グイド・フルベッキに因んで、学生寮は「フルベッキハウス」と名付けられていた。




(※開校当時は全県一区の学校で、佐賀県全域から生徒を受け入れたため、寮がつくられた。現在は、鳥栖・武雄・唐津地区に中高一貫校が出来、学区制となったため寮は無くなった。)










今週、佐賀新聞で県立中高一貫校についての特集記事が連載されているが、今日の記事から一部掻い摘んで抜粋させて頂く。







寝食を共にして学んだ生徒たちが、明治維新の原動力となった若者たちのように育っていく姿。それは、かつて佐賀の代名詞だった「教育県」再興への期待でもあった。




開校当初の理念というか、掲げた理想のようなものかな。




「進学実績とか、目先の成果にとらわれていないか。もっと人間的な幅を広めていく教育を期待したい」




これは元校長が現在の学校づくりに物足りなさを感じるとのことでおっしゃられているコメント。










開校当初の致遠館、はっきり言って「大学の進学実績が全て」というバリバリのスパルタ教育をやるっていうのが専らのイメージだったけどな。




大量に宿題が出されるのは当たり前、昼食の時間も参考書を開きながら食事をしなければならない。




それをちゃんとやってるかどうか先生たちが窓の外からチェックしてるとかなんとか。




イヤでついていけずに退学する子も多いとかなんとか。










あくまでも伝え聞きの噂と外から見るイメージではあるが、卒業生に話を聞くと大方そういう感じだったらしい。




ただ、捉え方は生徒によって様々で・・・というより私が直接知ってる卒業生(大部分は卒塾生)はほとんど致遠館で良かったと言っている印象が強いのだが。










宿題は多くて大変だったけど、勉強ちゃんと出来たから。




教科によってはイヤな先生もいたが、基本的に学校は楽しかった。










そんなもんじゃなかろうか。どこの学校も。




今も昔も、致遠館の先生は基本的に愛校精神を持ち必死になって自分たちが信じる教育ってものを推進しようと頑張ってるんじゃなかろうか。




難関大学進学を目指して、必死に受験勉強することが「生きる力」に繋がらないなんてことはないだろう。










6月20日、ちょうど1週間前のブログでちょっとだけ触れたけど、某県立中高一貫校が掲げた大学進学実績の横断幕。




市長がクレームをつけているという話。




佐賀の武雄高校の話だ。










行政の長が学校教育に注文をつけるって話は最近特に耳にするが、それも大切なことだと思う。




教育をどうするかで国のカタチが決まっていくというのは大袈裟な話ではないからね。




そこで、学校側は言い返して欲しい。




自分たちはこういう考えでこういうことをやっている。




生徒にもそれを伝えている。




生徒たちのことを一番身近で見ているのは現場の先生なんだから。










そんな真剣な議論をたくさんやっていけたらいいんじゃなかろうか。




非難とか、攻撃とか、中傷ではなく、真剣で真っすぐな建設的な議論を。










それから、学校教育での取り組みで子どもがどう成長していくとか、どのような人物が生まれるとか、その後どんな人生を送るなんて計算できる訳ではない。




本当にいいか悪いかは知らないが、今考えられることを一心不乱に多少強引にでもやっていくってくらいの環境でゴリゴリ揉まれたり鍛えられたりした結果、なんとなく力強い人間やしぶとい人間が育ってた・・・なんてことの方が、実は多いような気もする。










幕末佐賀藩の教育は素晴らしいとか、七賢人を始め数多くの人物を輩出したとか言われるけれど、藩校の弘道館での教育を大隈重信は痛烈に批判している。




試験に合格しなければその家の禄(武家の給与)が没収されるなど、非常に厳しいスパルタ教育だったらしい。




そういうのがイヤで自分の理想教育を目指して早稲田をつくったんだろうが、そんな大隈重信も弘道館の秀才としてそこで教育をうけていることは間違いない事実だ。




もちろん長崎の致遠館でも学んでいる。










どんな環境でも、たくましく、頑張れるようになってほしいもんだ。




みんなで考えていけたらいいな。














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