ATMブルース~嗚呼、心の機微~
昨日、近所の銀行に行ったんだ。
ATMコーナーで自分の番が来て、お金の出し入れをしていたのさ。
ふと、隣からおじいさんの声がする。
「ちょっと、ここ待っといてくれな。」
「銀行の人に聞いてくるから、ちょっと、ここ待っといてくれな。」
そう言っておじいさん、向こうへ行っちまった。
なんだ、なんだ?
後ろで順番待ちしてたお嬢さん、「え?」
そりゃそうだ。
「え?え?」
近くにいた警備員さんに
「あの、ここ使われた方、ちょっと待っててってどこかに行かれたんですけど。」
おいら、ちょっと感心したんだ。
そのお嬢さん、待ってと言われて怒るでもなく、無視して空いたATMを使うでもなく、どうしようって警備員さんに尋ねたんだぜ。
警備員さんも、ポカンとなるばかりさ。
そうこうしてるうちにそのおじいさん、銀行の人を連れて戻ってきた。
銀行の人は丁寧にやり方を教えていた。
お嬢さんもちょっと安心して黙った。
後ろで並んでた他のお客さんも何も言わずに待っている。
Oh ベイビー
素敵な光景じゃないか。
今の世の中、すぐにクレームだ何だ。
切れただ何だ、謝罪だ、賠償だ、何だかんだ。
Hey ベイビー
優しい人たちじゃないか。
今の世の中、すてたもんじゃないぜ。
のん気にやれよ、待つも、待たせるも、たまにゃいいもんだ。
Oh ベイビー ベイビー
Hey ベイビー ベイビー
これが ATMブルース
こんな ATMブルース ~♪
さんきゅー
・・・この時、「これは自分が早く終わらせねば」と思い、私が隣のATMで焦りまくってボタンを押していたのは言うまでもない。
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