黄身と白身と向田邦子
中2の国語教材に向田邦子の随筆が載っている。
自分の子供時代のお話で、卵についての思い出が綴ってある。
当時、向田さん家では子ども2人で卵1個を分けないといけなかったそうな。
母親がしょうゆを入れてかき混ぜた卵を2つの茶碗に分ける。
最初に長女である向田邦子の茶碗へ。
すると、先に入れる方の茶碗に必ず白身が多めに滑り込むらしい。
白身は気持ち悪いし、ご飯になじまないってことでスゴく嫌だったそうだ。
「二番目に生まれてくればよかった」
と本文にある。
なぜそう思ったかの理由を問う問題がある。
二番目に入れる茶碗には好きな黄身が多く入ってくるから、ってことで良い。
「よかった」と思う理由なんだから。
先日、中3のある子にやらせてみた。
すると
一番目だと嫌な白身が入ってくるから、と書いている。
んー、決して間違っちゃいないんだけど、それだと長女が「いやだ」と思う理由になるじゃん?
言われた最初はこんな顔してたな。
「いやだ」の理由じゃなくて、「よかった」の理由は?って質問じゃん。
そんなやり取りを2度3度繰り返す。
2度3度繰り返すことがまた楽しかったりして。
実は最初っからこのやり取りを楽しむつもりだった。
その中3の子も何となくその対話を楽しんでるのが通じたようで。
最後はこんな照れ笑い。
いやー、国語って楽しいわ。
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