1分の長さ
先日、NHKでやってた藤井聡太棋士の密着番組が面白かった。
デビューから公式戦29連勝を記録した天才中学生棋士。
その藤井棋士が20連勝目をかけた対局でのこと。
この時、藤井棋士は絶体絶命のピンチに追い込まれていたそうな。
ここで起死回生の一手、というより相手に究極の選択を迫る賭けの一手を指した。
藤井棋士の王手をAで回避するか、Bで回避するか。
相手がAを選択すれば自分が勝ち、相手がBを選択すれば自分が負ける。
ただし、相手は持ち時間を使い切っていたので、1分以内にどちらで回避するかを決めなければいけない。
しかも勝敗を見極めるには10手以上先まで読まなければいけない。
相手に持ち時間が無いことまで見越しての勝負の一手だったのだ。
この時の、双方の1分間という時間の感じ方が興味深い。
対戦相手は、「こちらは正解を探す方なので1分はとても短かった」と語った。
しかし藤井棋士は、対戦相手は残り数秒でも冷静な人だと知っているので、待つ1分はとても長かったそうな。
立場の違いでこんなに異なる時間の長さ。
緊迫した真剣勝負の時を刻む時間なら尚更のことかもしれない。
受験勉強という真剣勝負の中での時間。
その長さ、君たちはどう感じていくことだろう。
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